2013年7月11日木曜日

カンジヤママイムさんの講演


こんばんは、上平研究室の真柄です。
7月1日(月)に専修大学にて、カンジヤママイムの藤倉さんの特別講義とワークショップが行われました。

本研究室からは上平先生とメンバー9人が参加、ワークショップでは撮影係も務めました。
■「カンジヤママイム」とは?

アメリカ仕込みの本格的なマイムを披露する日本のマイムグループです。

今回の特別講義ではカンジヤマAこと藤倉健雄さんがいらしてくださり、自身のマイムを選んだきっかけやマイム観など、自らの進路を決めかねている学生にとってとても勉強になる話をしてくださいました。

真面目な話の中にも楽しい話や本格的なマイムなどを入れてくださり、あっというまの90分でした。

■ワークショップ

特別講義の後に30人ほどの学生を集めて行われました。

最初は指の運動から始まり徐々に難しくなっていくその内容は、自らの身体の不器用さや雄弁さを知ると共に、身体を使って表現することの想像力や創造性を遊びと共に学ぶことができました。

ここで、参加した学生の感想を載せたいと思います。

■黒川

藤倉さんの講演及びワークショップは非常に驚きと発見と楽しさであふれていました。今までただのパフォーマンスとしてでしか私はパントマイムを見ていなかったのですが、その見方が今回を通して大きく変わったように思います。

 パントマイムといえば、例えば無いはずの壁があたかもそこに存在するかのように、無いものを動作によってあるように見せるパフォーマンスです。藤倉さんによると、無いものをあるように動作によって見せる、ここにはカニッツァの三角形と同じ原理が隠されているとのことでした。確かに考えてみると、パントマイムにおいて、動作という輪郭を観客に提示することによって、観客はそこにあるはずがないものを認識している。そして、さらにそこでは、観客が輪郭をもとに想像という形で参加している。これらは今まで無意識に行っていたことですが、そこにちゃんとした意味があることを知り、私は非常に驚きました。講演後のワークショップで、実際にパントマイムを体験したのですが、動作による輪郭作りは非常に難しいものでした。しかしその輪郭づくりがしっかり出来ていれば他者に無意識に想像という形で参加してもらえるということも実感出来ました。これまでの話は全てデザインをするうえでも非常に重要なことだと思います。デザイナーは他者が無意識に参加してもらえるような輪郭をデザインする必要がある。これから私も自分の研究テーマにそって研究を行っていきますが、今回の体験を活かし、他者が無意識に参加してもらえるような、そのようなものを最終的に制作出来ればと思います。

■平山

 藤倉さんが講演でおっしゃっていたカニッツアの三角形の話は様々なことにつながる話であると感じました。カニッツアの三角形は実線で三角形を描かなくても、それを想像できるものを提供して、閲覧者の知識をうまく使うことにより三角形を見させることができるとのことでした。私は、これをパントマイムにいかしていらっしゃるということを聞いたときに私は衝撃を受けました。パントマイムの動き自体はただの動きでしかありませんが、それを見せて観覧者が「これはどのような動きなのだろう」と感じさせることができるとのことでした。つまり、輪郭をデザインしてあげることで、その講演を観覧者に主体的に見させるということでした。これはデザインにおいても、授業を組み立てることにおいてもとても重要であると感じました。

 例えば、UI設計をするときに、ユーザがそのシステムに対して主体的に利用していこうとさせるときに、デザイナーはユーザの気持ちや考えをきちんと把握した上で、どのような動きをするかを見極めてUIデザインをする必要があると思います。また、授業を組み立てるときも、生徒が授業に対してどのような気持ちで臨んでいて、どの程度の知識があるのかを把握した上で、教師は生徒の学びを導くための組み立てをしていくいく必要があると思います。どちらに関しても、相手のことをよく知っていくことで、どのように疑問を持っていくのかを把握し、それの疑問を解決させてあげることが重要ではないかと感じました。

 藤倉さんのワークショップを受けていて感動したのが、最初は学生がパントマイムに対してためらいを持っていたにも関わらず、徐々に積極的にパントマイムをやるようになっていましたことです。これは藤倉さんが我々のパントマイムに対する知識レベルをきちんと把握した上で、段階を踏んで達成感を与えながらワークショップを進めていたからだと思います。私はデザインに関しても教育に関しても少し考えが深まった気がします。今回の経験を、今後のワークに反映させていきたいと強く感じました。今回の藤倉さんの講演とワークショップは、私に強い衝撃と感動を与えてくださいました。とても感謝しております。ありがとうございました。

■西森

専修大学ネットワーク情報学部 西森 剛です。

先日は、講演およびワークショップありがとうございました。

パントマイムは、テレビなどでは見たことはありますが、体を使って触れることは、自分にとって新しい体験でしたので、非常に楽しかったです。そして、大学生という立場、また、デザインを学んでいる学生=<表現をする者の端くれ>として、改めて気付かされたことや胸を熱くしたことなど、本当に自分にとって刺激が多い経験でした。

 さて、私がお話を聞いて、一番印象に残っている事は、好きなことに対して一生懸命、追求しておられた姿勢です。加えて、それが非常に楽しそうだったという所です。お話をなさっている姿や体を動かされている姿などからひしひしと伝わって来ました。今回のワークショップを通して、私も表現することって非常に楽しいことだと改めて感じました。最初は、どことなく恥ずかしいと思っていたのですが、次第に楽しくなっていって、短時間ながら、最後の発表では、どうしたら人に喜んでもらえるのだろうと考えていました。

私は、デザインという方法を使って、人のために何かをつくったり、自分の思ったことを表現したりしています。その時には、必ず諸々の条件などを反映させる必要があり、自分の中ではどこか「作業」になっていたことが多いと思いました。しかし、今回のワークショップを通じて、本当に自分はデザインすること=表現することを楽しむ必要があると感じました。自分もデザインすることを楽しまないと楽しい体験を作ることを意識していこうと思いました。

 本当に素敵な講演&ワークショップありがとうございました。

■中村

自分の稼働範囲を知りもう一歩すみだすことができれば、その範囲内でさまざまなことができる、ということに一番大きな影響を受けました。

ワークショップでパントマイムの練習をしている中で、自分の可動範囲を自分で決めていてもう一歩先まで動かしていないことを指摘されました。

その指摘を受けて、今回のワークショップだけでなく普段の生活の中でも自分のできることを自分で制限してしまっていたことに気が付きました。

制限するのではなく、そこからもう一歩踏み出すことで自分の可能性を広げることができる。そして、自分の限界の可動範囲を知ることができれば、オーバーワークにもならず、最大のパフォーマンスを発揮することができるということを学びました。

■美尾

今回のワークショップでは、パントマイムというものに初めて触れた。テレビでは見たことがあるパントマイムだが、こんなに間近で、生で見たのはこれが初めてだった。

 藤倉さんのパントマイムの動きにも感動したが、藤倉さんの語った生き方にも感動と驚嘆を覚えた。芸の世界では正社員として働くわけではないので、周囲から見れば不安定な生き方だろう。大学を辞める時に親に泣かれたという話もあった。しかし、それでも自分自身のやりたいことを貫き、成功を収めたその生き方に私は感動した。

 パントマイムのワークショップでは、自らの可動域を知ることが重要だということだった。実際に体を動かしてみると、予想以上に自分の体のことを知ら可成ったのだと思い知らされた。

 ワークショップ自体も、藤倉さんの言う通りに体を動かしていただけだったが、いつの間にか学生みんなが楽しくパントマイムをある程度まではできるようになっていたことが驚きだった。最後にテーマが与えられた際には、参加者全員が恥ずかしながらも自分の考えやアイデアを披露することができていた。藤倉さんのワークショップ進行の上手さと参加者を惹きこむ手法を垣間見ることができた。
■佐々木

 藤倉さんの講演から、私は相手に感情移入させる、実際に存在するものだと錯覚させる演技・表現にとても感動した。特にバイオリン弾きの男と子どもの演技ではお面をつけている(演技)にも関わらず悲しんでいるように見せ、雰囲気の構成も含めた自己表現が単なる感動ではなく深く心に残った。体の使い方、シチュエーションや人間の物への接し方を観察し、当たり前のことを当たり前のように表現できる想像力を強く感じた。
 短い時間ではあったが、疲れも気だるさも感じさせないワークショップであった。動きや言葉に心を込めるという最初の説明で違和感を体感させながら参加した私達の心を掴み、簡単な動きで身体的にも精神的にもアイスブレイクを行い、最後には(参加者の性格にも依ったが)自己表現を行うまでに導いていた。参加者もファシリテーターもいい意味で力を抜いた状態で取り組むことができる空気の作り方は、藤倉さんの今までの経験とその場を楽しむ事心の持ちからによってできていると感じた。
■風間

カンジヤママイムさんの講演、パントマイムワークショップを受けて、好きなことを貫き通していれば好きなことを仕事にできるのかなと感じました。好きなことにしっかり向き合っているからそこから自分には何ができるか、何をしなければならないかが自分自身で把握でき、突き進んでいけるかなと思いました。

仕事というものか一般的に1つしかできない。だから何か1つ自分自身が好きと思えること、やりたいと思ったことに対して向き合い、自分にできることを見つけたほうが絶対に楽しくなると思いました。

また、自分を知ることが大事であるとおっしゃっていましたが、そのことについてとても共感しました。自分を知ることにより、自分の知らない自分が見えてきて、そこから自分の道というものが見え、なにか見えるものがあると思います。それを見つけることが大事なことなのかなと感じました。

出会いを大事にすることについて、これからもっと大事にしていきたいと思いました。小さなつながりでも、大きなつながりでもその出会いには意味があり、なにか自分に還ってくるものがあると私は思います。なのでその出会い一つ一つに感謝の気持ちを持ち接することを心がけて行きたいと重いました。

機会があったらパントマイム見に行きたいです。今回はありがとうございました。

■大竹

講演・ワークショップを体験して最も強く感じたことは、人々を楽しませるという考慮がなされていたことだ。○○さんは無意識だとしても、ユーザーの体験としてはとても楽しかったと思う。今の人は非常に恥ずかしがりで、なかなか講演者の思う通りに行かないはずだ。しかし、今回の現場はみんな楽しいと感じていた人がほとんどだと思う。

デザインも人々を楽しませるという体験は大事である。それが、どのような手法であると楽しませられるのか。その点について、私がワークショップを通じて感じた事は「自分が出来ている・自分が出来る」という要素を感じさせることであるのではないか。パントマイムなどは、比較的真似をしてもコツというものは分からず、完璧とは言えない。○○さんはコツというものを私達に直接言って教えるのではなく、感覚として私達に体験させているように感じた。言葉で体験するのではなく、実際に体を動かし、感覚で捉える事の重要性が感じられたと思う。

感想は以上となります。

今回のことでマイムの知識はもちろん、新たな発見や今まで知らなかった自分の可能性などを見つけることができたと思います。

この機会を与えてくれたカンジヤマさんと先生方に深く感謝です!

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