2013年11月15日金曜日

UIの潮流

UXデザインユニットの西森です。

今更ながらですが、UIのトレンドについて書きたいと思います。(本当にいまさらですが....)


2006年に発売された、Windows Vistaには、Windows AeroというUIの表示方法を搭載していました。Windows Vsitaは、半透明のガラスをモチーフにリアルな質感を追い求めたUIでした。それは、それで美しく、Windows XP時代よりも格段にグラフィックの質は向上したと言えるでしょう。しかし、残念ながらOS自体の評価はいまいちでした。

そして、2007年にAppleが「iPhone」を発表しました。この時のUIは2012年発表のiOS6まで踏襲されまさした。
一度は見たことがあるのではないでしょうか?
このUIを一度は見たことがあるのではないでしょうか。
こちらもWindows Vista同様、本物の質感を追求して、ツヤツヤしていてかっこいいUIです。
このようなUIをスキューモーフィックデザインといいます。ディスプレイの表示技術が向上するとともに、よりリアルな質感をPC上で再現することが行われていました。例えば、ボタンならば、光沢があって、影があって、本物のボタンのようなものになっていました。



さて、2012年にMicrosoftがWindows 8を発売します。これは従来のスキューモーフィックデザインとは異なるUIで登場しました。

▲引用元 『Windows 8 の新デザイン「Modern UI(モダンUI)」とは』 http://www.724685.com/word/wd130130.htm



Modern UIと呼ばれるタイル上のUIです。このアイコンをよく見ると、今までの質感を重視したアイコンとは異なり、立体感がなく、シンプルなアイコンと文字で構成されています。このModern UIは、タッチデバイスに最適化されているので、タッチしやすいスタート画面になっています。

驚くことに、なんと、AppleのiOSもスキューモーフィックUIから大きな転換を図ります。




今までのツヤツヤのボタンではなく、シンプルアイコンや文字のナビゲーション、ボタンを見るととグラーデーションがありません。

このようなUIのことをフラットデザインと呼びます。
気がついたら、AndoroidのGoogleもこのデザインに変わっていました。

このように、昨今では、スキューモーフィックデザインから、フラットデザインが主流に取って代わりました。

さて、なぜこの変化が起きたのでしょうか。単に目新しくかっこいいということだけでは無いと思います。完全な憶測で書くことにはなりますが、理由はいくつかあります。
まずは、マルチデバイスの時代ということではないでしょうか。
インターネットを使ったサービスを作るとなると、PC用、iOSアプリ、Androidアプリ、Windows8アプリなどを作らなければなりません。画面の解像度などの違いから、ひとつのパーツを使いまわすのは難しく、お金と手間がかかってしまいます。ツヤツヤのボタンをPhotoshopで作っていては....非常に大変です。一方で、フラットデザインならば、アイコンがシンプルな曲線で描かれることや、文字やコンテンツが主なボタンの要素となりますので、作るのが非常に簡単であり、かっこいいUIを作ることが可能です。


▲画面いっぱいに写真を使っています。アイコンもシンプル。




また、こんな意見もあります。

世の中に溢れている情報量が多すぎるので、不要な要素を削っていった、と。
テカテカなUIも情報の一つであって、コンテンツとしてもたくさん情報があるのに、UIまでも豪華だと画面がうるさくなって、メインコンテツが埋もれてしまいます。せめてコンテンツを引き立たせるためにUIはシンプルな方向へ向かったのではないかということです。

さて、フラットデザインの欠点も少し述べておきましょう。
それは、見出しや本文とボタンの区別がつきにくいことです。ボタンはグラデーションや影がなく、文字だけで作られる場合もあるので、表示領域なのかボタンなのかの区別がつきにくいのです。ITに慣れている人だと見分けがつくのですが、不慣れな人では混乱するのではないでしょうか。

そこで最近では、フラットデザインをベースにしつつも、ボタンに影をつけるUIが登場してきました。

Yahoo!路線
Yahoo!路線アプリ


SUMO
http://suumo.jp/

などです。


技術的に考えると、これだけ高詳細のディスっプレイが登場しているのにもかかわらず、高詳細を必要としないシンプルなUIが主流になるとは....そう考えると、おもしろいですね。






2013年7月15日月曜日

高校生の主体性向上の必要性

上平研究室の平山と申します。

私の研究は
「高校生の思考力を向上させるためのインターネットソリューション開発」
というテーマのもと進めています。

今回は、なぜ私がこのようなテーマで研究を進めようと思ったのか、
その経緯を語っていきたいと思います。


いきなり質問ですが、
みなさんが高校生だった時、どのような生徒でしたか?


私は、とにかく自分の意見を貫く生徒でした。
その意見が間違っているとは思いもせず、周りを見ずに貫く生徒でした。
つまり客観性がない生徒でした。

私は最近になって、その理由を突き詰めてみました。
なぜ客観性がなかったのか。
これを考えたときに行き着いた結論は、
「自分の価値観だけで物事を考えているからだ」
でした。


少し話を変えます。

私は、塾でアルバイトをしています。
今の中学生や高校生と触れ合う機会がたくさんありました。
いろいろな塾生から出てきた言葉というのはとても興味深く、

「なんで数学をやっているかわからない。将来に必要がない。」

という意見が多いです。


私は、先ほど述べた結論と、塾生の言葉を照らし合わせると、
案外客観性がないのは自分に限った話ではないのかなと思うようになりました。



「数学なんて将来必要ない」というのを分析してみます。
彼らは、例えば証明というものが、どのような場面で必要となるのかがよくわからず、必要ないという言葉が出てきてしまいます。
しかし実は、「証明の問題を解くための思考プロセスが今後の将来に活きてくる」からこそやっていて、その考えまで至らないのでしょう。


私が、「証明の問題を解くための思考プロセス自体が大事」という結論にたどり着いたのは
「なぜ数学を学ぶ必要があるのだろう?」
と考えたからでした。

「数学なんて将来必要ない」と考える前に「なぜ、その必要がなさそうなものを時間とってやっているのか」と、思うことが重要なのではないかと思います。
こういう風に思って行くことこそが、客観性につながるのではないかと考えたのです。


では、なぜそのように思ってくれないのか。
それは、生徒が「受け身」だからだと思います。


みなさんは、勉強を進んでやっていましたか?
私はやりませんでした。勉強は大嫌いでした。
ただ、大人たちが「やれ」とうるさいので、とりあえず点数を取ることを目標にして勉強していました。
このように勉強をされていた方も多いのではないでしょうか。

とりあえず「やらされているからやる」。
これが考えていることをやめる理由の一つだと思います。


だから、考えることに慣れていない私は、周りのことは考えずに自分の価値観だけで意見を貫いていたのだと思います。

そして、塾生の言葉からも、私みたいに考えることが慣れていない子たちが多いのではないかと感じています。



私は、生徒が主体的に考えていってほしいと考えています。
しかし、それは現在の日本の受験体制を見ると、授業で主体性を持たせていくのはなかなか難しいのかなとも思います。
ならば、別の機会に、主体的に考えてもらえるようなツールを作っていけばいいのではないかと考えました。

だから、現在の研究テーマなのです。

現在、主体的に考えてもらうためにはどのようにすればいいのかを考えていて、
それは、カンジヤマ・マイムさんからヒントを得ています。

今回はそれを書いてしまうととても長くなってしまうので、また別の機会にしたいと思います。

もし興味がある方がいましたら、またブログを見に来てください!

では、失礼いたします。




2013年7月11日木曜日

カンジヤママイムさんの講演


こんばんは、上平研究室の真柄です。
7月1日(月)に専修大学にて、カンジヤママイムの藤倉さんの特別講義とワークショップが行われました。

本研究室からは上平先生とメンバー9人が参加、ワークショップでは撮影係も務めました。
■「カンジヤママイム」とは?

アメリカ仕込みの本格的なマイムを披露する日本のマイムグループです。

今回の特別講義ではカンジヤマAこと藤倉健雄さんがいらしてくださり、自身のマイムを選んだきっかけやマイム観など、自らの進路を決めかねている学生にとってとても勉強になる話をしてくださいました。

真面目な話の中にも楽しい話や本格的なマイムなどを入れてくださり、あっというまの90分でした。

■ワークショップ

特別講義の後に30人ほどの学生を集めて行われました。

最初は指の運動から始まり徐々に難しくなっていくその内容は、自らの身体の不器用さや雄弁さを知ると共に、身体を使って表現することの想像力や創造性を遊びと共に学ぶことができました。

ここで、参加した学生の感想を載せたいと思います。

■黒川

藤倉さんの講演及びワークショップは非常に驚きと発見と楽しさであふれていました。今までただのパフォーマンスとしてでしか私はパントマイムを見ていなかったのですが、その見方が今回を通して大きく変わったように思います。

 パントマイムといえば、例えば無いはずの壁があたかもそこに存在するかのように、無いものを動作によってあるように見せるパフォーマンスです。藤倉さんによると、無いものをあるように動作によって見せる、ここにはカニッツァの三角形と同じ原理が隠されているとのことでした。確かに考えてみると、パントマイムにおいて、動作という輪郭を観客に提示することによって、観客はそこにあるはずがないものを認識している。そして、さらにそこでは、観客が輪郭をもとに想像という形で参加している。これらは今まで無意識に行っていたことですが、そこにちゃんとした意味があることを知り、私は非常に驚きました。講演後のワークショップで、実際にパントマイムを体験したのですが、動作による輪郭作りは非常に難しいものでした。しかしその輪郭づくりがしっかり出来ていれば他者に無意識に想像という形で参加してもらえるということも実感出来ました。これまでの話は全てデザインをするうえでも非常に重要なことだと思います。デザイナーは他者が無意識に参加してもらえるような輪郭をデザインする必要がある。これから私も自分の研究テーマにそって研究を行っていきますが、今回の体験を活かし、他者が無意識に参加してもらえるような、そのようなものを最終的に制作出来ればと思います。

■平山

 藤倉さんが講演でおっしゃっていたカニッツアの三角形の話は様々なことにつながる話であると感じました。カニッツアの三角形は実線で三角形を描かなくても、それを想像できるものを提供して、閲覧者の知識をうまく使うことにより三角形を見させることができるとのことでした。私は、これをパントマイムにいかしていらっしゃるということを聞いたときに私は衝撃を受けました。パントマイムの動き自体はただの動きでしかありませんが、それを見せて観覧者が「これはどのような動きなのだろう」と感じさせることができるとのことでした。つまり、輪郭をデザインしてあげることで、その講演を観覧者に主体的に見させるということでした。これはデザインにおいても、授業を組み立てることにおいてもとても重要であると感じました。

 例えば、UI設計をするときに、ユーザがそのシステムに対して主体的に利用していこうとさせるときに、デザイナーはユーザの気持ちや考えをきちんと把握した上で、どのような動きをするかを見極めてUIデザインをする必要があると思います。また、授業を組み立てるときも、生徒が授業に対してどのような気持ちで臨んでいて、どの程度の知識があるのかを把握した上で、教師は生徒の学びを導くための組み立てをしていくいく必要があると思います。どちらに関しても、相手のことをよく知っていくことで、どのように疑問を持っていくのかを把握し、それの疑問を解決させてあげることが重要ではないかと感じました。

 藤倉さんのワークショップを受けていて感動したのが、最初は学生がパントマイムに対してためらいを持っていたにも関わらず、徐々に積極的にパントマイムをやるようになっていましたことです。これは藤倉さんが我々のパントマイムに対する知識レベルをきちんと把握した上で、段階を踏んで達成感を与えながらワークショップを進めていたからだと思います。私はデザインに関しても教育に関しても少し考えが深まった気がします。今回の経験を、今後のワークに反映させていきたいと強く感じました。今回の藤倉さんの講演とワークショップは、私に強い衝撃と感動を与えてくださいました。とても感謝しております。ありがとうございました。

■西森

専修大学ネットワーク情報学部 西森 剛です。

先日は、講演およびワークショップありがとうございました。

パントマイムは、テレビなどでは見たことはありますが、体を使って触れることは、自分にとって新しい体験でしたので、非常に楽しかったです。そして、大学生という立場、また、デザインを学んでいる学生=<表現をする者の端くれ>として、改めて気付かされたことや胸を熱くしたことなど、本当に自分にとって刺激が多い経験でした。

 さて、私がお話を聞いて、一番印象に残っている事は、好きなことに対して一生懸命、追求しておられた姿勢です。加えて、それが非常に楽しそうだったという所です。お話をなさっている姿や体を動かされている姿などからひしひしと伝わって来ました。今回のワークショップを通して、私も表現することって非常に楽しいことだと改めて感じました。最初は、どことなく恥ずかしいと思っていたのですが、次第に楽しくなっていって、短時間ながら、最後の発表では、どうしたら人に喜んでもらえるのだろうと考えていました。

私は、デザインという方法を使って、人のために何かをつくったり、自分の思ったことを表現したりしています。その時には、必ず諸々の条件などを反映させる必要があり、自分の中ではどこか「作業」になっていたことが多いと思いました。しかし、今回のワークショップを通じて、本当に自分はデザインすること=表現することを楽しむ必要があると感じました。自分もデザインすることを楽しまないと楽しい体験を作ることを意識していこうと思いました。

 本当に素敵な講演&ワークショップありがとうございました。

■中村

自分の稼働範囲を知りもう一歩すみだすことができれば、その範囲内でさまざまなことができる、ということに一番大きな影響を受けました。

ワークショップでパントマイムの練習をしている中で、自分の可動範囲を自分で決めていてもう一歩先まで動かしていないことを指摘されました。

その指摘を受けて、今回のワークショップだけでなく普段の生活の中でも自分のできることを自分で制限してしまっていたことに気が付きました。

制限するのではなく、そこからもう一歩踏み出すことで自分の可能性を広げることができる。そして、自分の限界の可動範囲を知ることができれば、オーバーワークにもならず、最大のパフォーマンスを発揮することができるということを学びました。

■美尾

今回のワークショップでは、パントマイムというものに初めて触れた。テレビでは見たことがあるパントマイムだが、こんなに間近で、生で見たのはこれが初めてだった。

 藤倉さんのパントマイムの動きにも感動したが、藤倉さんの語った生き方にも感動と驚嘆を覚えた。芸の世界では正社員として働くわけではないので、周囲から見れば不安定な生き方だろう。大学を辞める時に親に泣かれたという話もあった。しかし、それでも自分自身のやりたいことを貫き、成功を収めたその生き方に私は感動した。

 パントマイムのワークショップでは、自らの可動域を知ることが重要だということだった。実際に体を動かしてみると、予想以上に自分の体のことを知ら可成ったのだと思い知らされた。

 ワークショップ自体も、藤倉さんの言う通りに体を動かしていただけだったが、いつの間にか学生みんなが楽しくパントマイムをある程度まではできるようになっていたことが驚きだった。最後にテーマが与えられた際には、参加者全員が恥ずかしながらも自分の考えやアイデアを披露することができていた。藤倉さんのワークショップ進行の上手さと参加者を惹きこむ手法を垣間見ることができた。
■佐々木

 藤倉さんの講演から、私は相手に感情移入させる、実際に存在するものだと錯覚させる演技・表現にとても感動した。特にバイオリン弾きの男と子どもの演技ではお面をつけている(演技)にも関わらず悲しんでいるように見せ、雰囲気の構成も含めた自己表現が単なる感動ではなく深く心に残った。体の使い方、シチュエーションや人間の物への接し方を観察し、当たり前のことを当たり前のように表現できる想像力を強く感じた。
 短い時間ではあったが、疲れも気だるさも感じさせないワークショップであった。動きや言葉に心を込めるという最初の説明で違和感を体感させながら参加した私達の心を掴み、簡単な動きで身体的にも精神的にもアイスブレイクを行い、最後には(参加者の性格にも依ったが)自己表現を行うまでに導いていた。参加者もファシリテーターもいい意味で力を抜いた状態で取り組むことができる空気の作り方は、藤倉さんの今までの経験とその場を楽しむ事心の持ちからによってできていると感じた。
■風間

カンジヤママイムさんの講演、パントマイムワークショップを受けて、好きなことを貫き通していれば好きなことを仕事にできるのかなと感じました。好きなことにしっかり向き合っているからそこから自分には何ができるか、何をしなければならないかが自分自身で把握でき、突き進んでいけるかなと思いました。

仕事というものか一般的に1つしかできない。だから何か1つ自分自身が好きと思えること、やりたいと思ったことに対して向き合い、自分にできることを見つけたほうが絶対に楽しくなると思いました。

また、自分を知ることが大事であるとおっしゃっていましたが、そのことについてとても共感しました。自分を知ることにより、自分の知らない自分が見えてきて、そこから自分の道というものが見え、なにか見えるものがあると思います。それを見つけることが大事なことなのかなと感じました。

出会いを大事にすることについて、これからもっと大事にしていきたいと思いました。小さなつながりでも、大きなつながりでもその出会いには意味があり、なにか自分に還ってくるものがあると私は思います。なのでその出会い一つ一つに感謝の気持ちを持ち接することを心がけて行きたいと重いました。

機会があったらパントマイム見に行きたいです。今回はありがとうございました。

■大竹

講演・ワークショップを体験して最も強く感じたことは、人々を楽しませるという考慮がなされていたことだ。○○さんは無意識だとしても、ユーザーの体験としてはとても楽しかったと思う。今の人は非常に恥ずかしがりで、なかなか講演者の思う通りに行かないはずだ。しかし、今回の現場はみんな楽しいと感じていた人がほとんどだと思う。

デザインも人々を楽しませるという体験は大事である。それが、どのような手法であると楽しませられるのか。その点について、私がワークショップを通じて感じた事は「自分が出来ている・自分が出来る」という要素を感じさせることであるのではないか。パントマイムなどは、比較的真似をしてもコツというものは分からず、完璧とは言えない。○○さんはコツというものを私達に直接言って教えるのではなく、感覚として私達に体験させているように感じた。言葉で体験するのではなく、実際に体を動かし、感覚で捉える事の重要性が感じられたと思う。

感想は以上となります。

今回のことでマイムの知識はもちろん、新たな発見や今まで知らなかった自分の可能性などを見つけることができたと思います。

この機会を与えてくれたカンジヤマさんと先生方に深く感謝です!

カードゲームとUX

上平研究室/UXデザインユニットの西森 剛です。
よろしくお願いします。

 研究は、
「参加型デザインのメッソド開発の研究」っていう名前で、
参加型デザインをする時に、どこでも、誰でも、爆速で出来るようにツールキットを作ろうと考えてい ます。
現在、大学にある学食と提携しまして、何回か参加型デザインのワークショップを開催し、そこから得た気づきや経験からデザインツールキットへ落としていくということをやる予定です。

 これまでのブログをみてみると、自分の研究について関連していることを、みなさん書いていますが、ちょっとここらへんで変わり種があってもいいのかなーって。

 実は、私は、上記のツールキットの他にも、カードを使ったあそびを考えることに取り組んでいます。(完全に研究の範囲外で)
今回は、それについて書いていくことにします。


まずは、いくつか最近見かけたボードゲームを紹介したいと思います。


ななろのご


 これは、囲碁を簡略化して、小さい子どもにも遊んでもらえるようにしたものです。大枠として、囲碁に近い感じですが、このゲームでは、碁盤の目を「道」にたとえ、そこに馬を登場させて相手の馬を自分の馬で囲むことで、相手の捕まえたり、ニンジンを自分のものにしていくというものです。

 僕が一番感動したのは、囲碁というものを馬とニンジンに置き換え、馬やニンジンを自分のものにしていくというストーリー仕立てにしたところです。

 全く囲碁をしたこともなかった僕も親しみやすく、簡単に導入することができました。ただ、かわいいデザインとは裏腹に非常に頭を使います。

SHUFFLE

これは、災害をテーマにしているゲームで、災害時に知っておきたいことの手順を正しく並べ替えるとポイントが貰え、そのポイント数で勝敗が決まります。

 一つのテーマごとに4枚の手順カードがあって、みんなで手順カードを出していきます。そして、4枚のカードが揃ったところで、4枚目を出した人が、手順カードを並び替える権利が与えられ、並び替えます。正しく並び替えられると3ポイント得ることができます。

 災害の部分も非常に重要なのですが、このゲームのポイントは、カードを出すタイミングなのです。この駆け引きが非常に重要で面白いものになっています。

SHUFFLE




さて、ここからは、ちょっと手前味噌なのですが、自作のゲームを紹介します。

いにしへつなぎ

このゲームには、古文品詞の接続をUNOのようなカードゲームにアレンジしたものです。名詞、動詞、助動詞などの<品詞>カードがあり、用言とよばれるものには<活用>も描かれています。日本語の接続に従って、カードを場に出していき、早く自分のカードがなくなった人の勝ちです。

 例えば、「馬」というカードが出された場合、「馬」の次に接続できる品詞は、名詞、動詞の連体形、形容詞の連体形、助詞(連体形接続)です。従って、次の順番の人は、それらのいずれかのカードを出す必要があります。

 古文が全くわからない人でもすぐにプレーが出来るように、品詞や活用にそれぞれ色を振っていますので、同じ色伝いにカードを出すことができます。


いにしへつなぎ




■カードゲームを作る、伝える。

 ゲームを作るにあたって、考えないといけないことってなんでしょうか。たくさんあると思いますが、まずは、コンセプトです。どんなコンセプトでどんなゲームを作るのかを明確にする必要があります。何を題材にするのか、どんなものをモチーフにするのか、現実にあるものをゲームにする場合は、抽象化の度合いも決める必要があります。
 そして、次にルールです。前提として、しっかり勝敗がつくようにする必要があります。また、ゲーム中に想定されるプレイヤーの行動を考えた上で、ゲームが、矛盾なく、スムーズに進行出来るようにしなければなりません。そして、何より難しいのは、難易度です。ルールが、単純過ぎてもおもしろくないし、複雑過ぎても楽しんでもらえません。戦略を立てるのが好きな人もいれば、嫌いな人もいる。手順が多いと飽きられてしまうし....また、そのルールの伝え方にも一苦労です。どうすれば伝わるのか、自分の手から離れた時に、ユーザーに伝わるかどうか....


 さて、その後、ビジュアルのデザインをします。ゲームの世界観にあった素敵なデザインにする必要があります。ただし、かっこいいだけではダメで、カードにしろ駒にしろ、どんな情報を載せればいいのかを考える必要があるし、ゲームのルールを理解しやすく、おまけに世界観に入ってもらう工夫をしないといけません。

 こう考えると、ゲームをルールから考え、プロトタイプを作るというのは非常に大変なことなんですね。どの工程においても、常に何かしらのユーザーのコトを意識して作る必要があるわけです。ただ、楽しいだけではだめで、過度なストレスがかからないようにしないといけない一方で、心地良い難しさでなくてなはならないわけです。加えて、ゲーム中の動作(例えば、手を動かしたりする場面)やカードの触り心地なども重要です。



■UIをデザインすることに通ずるものがある。

 カードゲームを作るということは、UI(User Interface)デザインに似ている部分があるのではないでしょうか。ユーザーの行動を考え、ユーザーが困らないように、カードの情報量・見せ方を工夫しつつ、プレイヤーの動作が不自然にならないようにゲームそのものをのデザインするわけです。UIも一緒で、ユーザーがスムーズかつ迅速に正確に、目的を達成できるように、ユーザーの動作や利用時の文脈を考え、デザインに落としてくわけです。ビジュアルだけではなく、ボタンの配置や大きさなど、人間と機械のやり取りをどうすればスムーズにいくのかが重要になっていきます。

 ということで、長くなりましたが、デザインカードゲームを追求していくことで、UIデザインのスキルアップになるのでは、と考えているという話でした。今回は、カードゲームにUIを絡めたお話しましたが、テレビゲームとUを絡めた分野は既にありまして、ゲームニクスとか、ちょっとUIとは離れますが、ゲーミフィケーションっていう考え方があります。


以上になりますが、まだまだ思慮が浅いくせに知ったぶって書いたところもありますが、これからもっともっと勉強していきますので、お気を悪くサれた方は、ご容赦いただければと思います。





2013年7月8日月曜日

時間を問い直す時計

こんばんは、上平研究室の眞柄です。

ブログの記事を書こう書こうと思い気が付けばこの時間…

この調子で研究もだらだらと伸びていかないようにがんばります。

 

私の研究テーマですが、タイトルの通り

「時間を問い直す時計」の作成です。

 

始めは身近な問題に興味を持ち、

学生が通学の際に最も悩まされた電車の「待ち時間」を

利用者にとって良い物にできないか、と考えていました。

 

しかし待ち時間というものは個人によってとらえ方が異なり、

例えば残り5分、という時間を

「あと5分しかない」と考えるのか、

「まだ後5分もある」と考えるのかはその人の性格や

育った環境に大きく依存してしまいます。

 

また、過去・現在・未来のどれに焦点を当てるかによっても

時間の表現の仕方は変わっていきます。

 

この「時間」というあいまいで、しかし表現やとらえ方が無限に存在するものを

待ち時間をつぶす為に研究するのではなく、

それぞれが時間について思っていることはそのままに

「この時間ってなんだろう」というような新たな気づきを

見つけるきっかけづくりがしたいと思うようになりました。

 

ここでテーマが「時間を問い直す」に決まり、

そこに自分の得意な機械製作と絡め、

時間を問い直すきっかけを与えるような時計を作成できるよう

調査を重ねています。

 

幸い私のテーマである「時間」は誰にでも思うところがあるようで

ツッコミビリティ(突っ込まれ易さ)が高く、

研究室のメンバーの意見をたくさん聞くことができます。

また、自分には関係がないと思う研究でも

思わぬところに時間が絡んできますので、

メンバーの研究からも目が離せません。

 

まだまだ時間に関する意見を募集中なので

どうぞよろしくお願いします。

2013年7月5日金曜日

絵本で教えるモノ作りレシピ

上平研究室の亀井です。
1日遅れました…申し訳ないです。
えっと、自分の考えを言葉にするのは苦手です…が、自分のためにもしっかり書こうと思います。

ついこの間研究室がスタートしたと思ったらもう7月。1ヶ月後には中間発表会、2ヶ月後には合宿です。
はやい…
がんばります。

さて、私の研究テーマ、まだ「これだ!」と思う表題はまとまっていないですが、学童クラブを対象に、絵本で伝えるもの作りレシピを提供できたらなあ…と考えています。

もともと私は自分の手で何かを作ることが好きで、
研究室スタート時は自分がモノつくりをしたい!!とただ漠然と考えていました。
しかし、研究室での発表やブレストなどを繰り返して行くうちに、

それってやっぱり自己満足にしかならない?
だったら私がモノを作るパターンを提供しよう!

と考えるようになりました。

そこでフィールドとして考えたのが、小学1〜6年生が集まる学童クラブです。

子どもたちの遊びがゲームなどが主流になってきてる中で実際に手を使ってなにかを作る楽しさをもっと子供達に感じて欲しいという思いと、
そこから低学年、高学年、そして大人(職員や親)の3者のサイクルを作り出すために、
私がモノ作りレシピを提供できたらな、と考えています。
例えば、それがあることによって大人がサポートして高学年の子と一緒に遊べる何かを作り、出来たもので低学年の子に遊んでもらい、そこから低学年の子も高学年の子を頼ってモノ作りをする…というようなことを現段階の目標としています。

ということで、現在はまず今の小学生たちがとのように遊んでいるのか、普段どのように過ごしているのかなどを知るために、
出身小学校の学童クラブにお世話になって、ボランティアとして7に何回かお手伝いをさせていただいています。
小学校はちょうど20日あたりから夏休みにはいるので、また学校がある日とは違った様子がみられることもあり、いろいろなことが得られると思います。

研究のためのボランティアを許可してくださった学童クラブの職員の方たちや、私をその学童クラブに紹介してくださった小学校の時の担任の先生にも成果が楽しみと言われてしまったので…
しっかり吸収して成果物におこしていけるようにがんばります!

ということで、
今月はボランティアでこどもたちと楽しく遊びつつ、簡単にできるモノつくりもいくつか考えていきながら研究をすすめ、
中間発表の準備をしていこうと思います。

今月はテストやレポートなどいろいろ重なって大変ですが、今月乗り切れば少しは余裕ができると思うので、力いれすぎないていどにみなさん頑張りましょう( ´ ▽ ` )ノ

2013年6月30日日曜日

将来の端末室はどうなっていくのか

上平研究室の美尾です。

私は「パソコンに不慣れな大学生に対し、自力で問題解決をしてもらうことができる」という研究をしています。

パソコンを利用していて、トラブルが起きたという経験は誰にでもあるでしょう。トラブルが起きた時、どのように解決するかは人によって違ってきます。

そういったトラブルに慣れている人や、パソコンのことをある程度理解している人は、自分で調べる等、自力で解決できるでしょう。しかし、それができない人もいます。トラブルが起きた時に、そもそもどうして良いかわからない、という人も多くいるはずです。

そこで私は、そのような人たちに何かできないかと考えました。私にとって身近な大学生をターゲットに調査をしていきました。

そして現在は、大学生がパソコンを利用する端末室の調査をしています。
端末室(=パソコン室)は、授業以外にも、自習室としても、学生同士の交流の場としても使われています。端末室で新たな出会いもあったに違いありません。このような端末室であった出来事を「端末室あるある」として調査しています。

今後はそれらの調査結果をヒントに、端末室の新たな使い方を模索できれば、と考えています。

2013年6月27日木曜日

まちを考える

こんにちは。
上平研究室の風間康児と申します。

私はまちにフォーカスを当てて研究を行いたいと考えております。
まちにはついてどのような側面があるだろうか。
生活するまち、通勤や通学のまち、旅行に行くまちなど様々な側面があると思います。
しかし、それらの側面は独立して存在しているわけではなくすべて従属しています。
また、まちには歴史や文化があり魅力や価値が創造できる要素がたくさんあると思います

専修大学のある向ヶ丘遊園(生田?)には生田緑地があります。

生田緑地は、川崎市立日本民家園、かわさき宙(そら)と緑の科学館、川崎市岡本太郎美術館、川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム、生田緑地ばら苑といった施設があり、季節ごと彩りを変え、夏にはホタルが見ることができます。
私はまず、向ヶ丘遊園にはこんなところがあるということを知ってほしいです。そして生田緑地に来てもらい、そこから向ヶ丘遊園のまちのファンを少しでも増やすことができたらいいなと思い「観光施設のリピーター獲得のための仕掛けづくり」というテーマを設定しました。
私はソフトな面のまちの魅力を発信することにより、リピーター獲得のための仕掛けづくりができるのではないかと現段階では考えております。

まだまだ迷走中な部分も多いと思いますが今後ともよろしくお願いします。

それでは。

2013年6月21日金曜日

地域の活性化と地域通貨

上平研究室4年の里見です。
研究室ではもえたんって呼ばれています。
わかりやすいことを考えるのが好きですが、文章を書くのは苦手です。


突然ですが
みなさん「地域通貨」はご存知でしょうか?
言葉の通り、特定の地域で使えるお金です。

専修大学のある多摩区では「たま」という地域通貨があり、
たま事業者会員のお店で物を買ったときや、イベントへの参加したときの
支払いの一部として「たま」を使うことができます。
(1たま=1円です)
※地域通貨「たま」 http://www6.ocn.ne.jp/~tamanowa/index.html












じゃあ、「たま」ってどうやって手に入れるんでしょう。
手に入れる方法は3つあります。

1つめは、たまのわネットワークの個人会員になることです。
入会の際に500円支払うと1500たまをもらうことができます。
500円で1500円分の地域通貨を手に入れるというちょっとお得感。

2つめは、たまの会員同士で「してほしいこと」の依頼を受けたり
モノを提供したときのお礼として「たま」をもらうことができます。
たまのわネットワークに入会する際に
「自分のできること」「自分のしてほしいこと」を記入します。
(例)できること:「子どもの面倒を見られる」「料理が教えられる」
   してほしいこと:「子どもの相手をしてほしい」「料理を教えてほしい」
事務局の仲介を経て「してほしいこと」をこなしたときのお礼として
たまを手に入れることができるのです!

でも、会員の「してほしいこと」なんてどこで知るんだと思いませんか?
地域通貨たまのウェブサイトの中で検索することができるんですよ。
※「してほしいこと」検索ページ http://member.grassk.org/kaiinselect.php

そして3つめは、「たま」がもらえる活動への参加です。
ゴミ拾いなどのボランティアに参加すると、お礼として「たま」を受け取ることができます。
たまのわネットワークに会員登録をすると
たまがもらえる活動、使えるイベントに関する情報をお知らせする「たまのわニュース」が
月に1度届くので、もらえる活動もチェックすることができます。
(ウェブサイトの方にもページはありますが、現在は更新されていないようです)

使うためには「たま」を持っている必要がある。
参加をすることで「たま」をもらうことができる。
「たま」を介して地域とつながるのです。


こんなにも面白い仕組みなのに
地域通貨「たま」では現状は一部の住人にしか使われていません。
もっと多くの人が興味を持ち、使うようになれば、地域の活性化につながると思っています。

では、私には何ができるんでしょう。

何かを知るときにはインターネットで調べようと思うことはありませんか?
ウェブサイトを確認してみようと思うことはありませんか?
ウェブサイトから興味をもつことはありませんか?
私はあります。

なので
「地域通貨たまのウェブサイト管理システムの制作・提案」
を研究テーマにすることにしました。
「たま」に興味を持ってもらえるようなウェブサイトを考え、制作し、
たま運営委員会の方に提案したいと思っています。


人は必ず年をとって高齢者になります。
今は仕事一筋でもいつかは退職して、仕事がなくなります。
そんなとき会社っていう社会とのつながりが一つ減ってしまいますよね。

残された地域でのつながり。
困っているときに相談に乗ってくれる、
体調を崩して家から出れないとき「最近里見さんみかけないわね」と気にかけてくれる、
そんな地域のつながりへと変わったらいいなと思います。
だから地域の活性化をさせたいのです。

研究室のメンバーが地域に関心をもってくれたら、私も泣いて喜びます。

2013年6月20日木曜日

文字の歴史ダイアグラムの制作


こんにちは。
上平研究室の小針優弥と申します。
おかげさまで毎日楽しく研究・制作に励んでおります。


私のテーマは「文字の歴史のダイアグラムの制作」です。
私は、書体デザイナーを目指しています。新しい書体を生み出すには、歴史の流れを知ることが重要だと考えています。
例えば、現在のデジタルフォントでは、


上段は、明治時代の活字を複刻した書体です。
下の三書体は、少しずつ違いはあるものの、上段の築地体五号をもとにデザインされていると考えられます。
このように、古い書体から影響を受けて新しく生み出された書体は多くあります。


文字の歴史に関する研究は既に多くされており、素晴らしい書籍も数多く出版されています。
一口に文字といっても、活字やデジタルフォント、書道などというように様々ですが、それらが一緒に語られることはなく、別々に語られることがほとんどです。
中国で漢字が発明され、書道史のなかで楷書や行書といった書体が生まれ、変化してきました。日本では漢字から仮名が生まれました。印刷技術が発達すると、それに応じて書体も変化していきました。また、活字が戦争で焼失してしまったり、日本が発明した写真植字という技術が高度経済成長とともに発展したりしました。

このように、文字は当時の社会情勢を含む様々な出来事がリンクしながら進化してきました。
そこで、文字に関わる多くのことを一枚で視覚化できるダイアグラムを制作することに決めました。




制作したダイアグラムから新しい発見をし、
長く愛される書体のルーツや未来の書体についてのヒントが得られればと考えております。
また、研究室のメンバーが文字の面白さを少しでも感じてくれるのなら、泣いて喜びます。