2013年1月15日火曜日

視点変換装置としてのインフォグラフィックスの研究-風の谷のナウシカ原作を題材として-:山下悟史

はじめまして。

上平研究室 山下悟史と申します。

新年も明け、発表会が近づいてまいりました。
メンバーみんなラストスパートをかけております。

今回は私の研究を紹介させていただきます。

「視点変換装置としてのインフォグラフィックスの研究-風の谷のナウシカ原作を題材として-」


現代社会は膨大な情報が溢れ、そしてまた情報が断片化しています。
物事を正しく解釈するためには
・情報に振り回されないこと
・情報の出典がどこからか
・情報がどの立場からのものなのか
これらを考え見極めることが重要です。

独りよがりな解釈に陥らないためには、多角的な視点を持ち、見え方を検証することが大切ということです。

そうは言っても、大多数の人が情報に対して受動的に接しているのが現状です。
それでは多角的な視点で物を見ることは難しく、そもそも別の視点の存在に気がつかないということもありえます。

そこで私は、物事の情報を分解・整理し、再構成することで、幾通りもの視点が得られることを既存のコンテンツの再解釈によって示したいと思います。

本研究では物事の一例として物語を扱うことにしました。
物語にはメインのストーリー進行があり、そこに多くの情報が肉付けされています。
その肉付けされた情報を分解・整理、再構成することにより、物語に対し新しい解釈を与えることができると考えました。

手段はインフォグラフィックスを用います。
インフォグラフィックスは視覚的要素を用いて、明確かつ簡略化して示すことができるためわかりやすいという利点があります。

取り扱う物語は「風の谷のナウシカ原作」としました。

成果物を紹介します。
●コンセプト
物語における主ストーリーライン以外に見出される情報を視覚的に提示し、閲覧者に新しい発見を与える。

●媒体
紙媒体(A4冊子20ページ程度)

●概要
「物語(風の谷のナウシカ)」における複数の視点をインフォグラフィックス化し、解説を交えて冊子にまとめ、閲覧者に気付きにくかった味方を提示する。これを視点変換装置と呼ぶ。

成果物の一例を紹介します。
・俯瞰図で見る物語
風の谷のナウシカという物語は主人公のナウシカが世界中を飛び回っていろいろな人と出会います。しょっちゅう空を飛んであっちこっち行っているので、今読んでいるところはどこなのだろうと思います。
しかし俯瞰図を用いて、その移動経路を見てみると・・・案外単純であることがわかります。同じ場所へ戻ることはほとんどなく、常に新しい場所へ移動しています。
他の主な登場人物の移動経路と合わせて見てみても、複雑な物語からは想像できないほど単純で、直線的です。
この物語は簡単に言えば、みんなで南へ行くお話なんだと解釈することができます。


おもしろいと少しでも感じてくだされば幸いです。
他にも複数のインフォグラフィックスがありますが今回はこれひとつの紹介となります。

今後修正と解説を加え見やすいものにします。


最後まで読んでくださいましてありがとうございました。

山下悟史