2012年10月9日火曜日

体験のデザインという視点から見た旭山動物園

皆さんこんにちは。
そしてお久しぶりです。


専修大学ネットワーク情報学部4年
上平研究室の吉川です。


前は自分の研究に関して投稿しましたが、今回は9月に行われた
3大学合同研究発表会でのお話をさせていただこうかと思います。


発表会の次の日、9月2日に我々上平研究室と安藤研究室は、
北海道情報大学の方に案内していただき、旭山動物園に行きました。


そこで上平先生から、ただ動物園を見学するだけだとあまりに勿体無い
ということで簡単な課題が出されました。


「旭山動物園の園内を『体験のデザイン』の観点から見て、普通の人
はまず気がつかないが、あなただけが気付いたポイントを挙げ、
その証拠写真を撮ってきてください。」


ということで各研究室のメンバーが見つけた旭山動物園の「体験のデザイン」
を写真付きでそれぞれご紹介したいと思います。



大越                          

建物には窓がたくさんあって、つい一々顔を覗かせて動物がいないか探してしまう。
同じ動物を少し長い道のりでも飽きずに見ることができる工夫になっているのかと。



甲斐

動物に関する情報の発信量がとても多いことに気づいた。看板が立てられていたり、図書館が園内にあったりする。それもただ楽しめる情報だけでなく「いただきますを言っていますか」「人間のばらまく有害物質が動物に与える影響」「亡くなってしまった動物たち」などの現実的なメッセージもあちこちに散らばっている。現実に起こっている事柄を知り、理解を深める機会を作り出しているのではないかと考えた。


古市                          

シロクマの説明に物語を持たせることでより説明を目で追いやすくしている。



佐藤

動物の足跡が図書館まで続いています。
これは小さい子供たちが思わず足跡についていきたくなるような工夫だと思います。





中田


小さい子でも歩きやすいよう、観やすいように工夫してある。

檻の中を観るだけでなく、檻から動物が出ているような臨場感ある見方ができる。



長沢

ペンギンをお客さんのすぐ目の前で見れるように、
客とペンギンの間にガラスが無い。その代わり、
冷房をペンギンに直に当てることで解決していた。

キリンの具体的な大きさを直感的にわかるように巨大なものさしが設置されていた。





船江

鹿の餌場。
草の位置を地上から離して設置し観客に
鹿が立ち上がった状態を間近で見せることが出来る。

シロクマの岩場。
岩場の中にあるドームの中から観ることで
シロクマに襲われるペンギンの感覚を体験出来る。



山下              

宣伝という視点で動物園を見てみた。
動物園内のベンチで発見したテレビ局の文字。
「白クマ園長 命の事件簿」というサスペンスドラマの舞台になったらしい。
北海道だからテレビ東京は映らないと思うが立派に宣伝になっていると思う。



太田             

なんか反則気味ですが、ゲーミフィケーションの観点からちょっと考えてみました。
動物園の出口にあったガチャですが、これには「何度も動物園に来てもらって、その度にガチャを引いていつかコンプリートしてほしい」という狙いがあるのではないかと考えました。これだけではまた来るための動機にはならないと思いますが、このような小さな「心残り」がリピーターを増やす要因になっているのでないでしょうか?
一回の来場で満喫できてしまったら何度も来ようと思わないはずです。400円という割高な価格設定も、「一回でいいから来場するたびに引いて欲しい」という思惑があるのではないでしょうか?





吉川


両生類・爬虫類の館の中になぜかハツカネズミが。
ヘビのエサにハツカネズミが与えられているという説明があり、
現実の自然には捕食する側とされる側というものが当然いて、それが同時に存在しているのが当たり前であるということを再認識させられた。
旭山動物園には他にも自然に近い形で動物を組み合わせて展示しているところが
何箇所もあった。

キリンの場所のすぐ近くに置かれていたもので、
人間の目線のところに双眼鏡が付けられている。
それを除くと上のカメラと連動してキリンの視線が体験できるというもの。
人間からだけではなく動物から見たらこの世の中はどんな世界なのか、
そして動物にとって人間はどのように見えるているのかということまで分かった。





大下倉




動物園で見れる動物たちはみな、檻やガラスの向こう、
絶対に人間に危害が及ばない場所に収容されている。
だからか、本来人間が敵いもしないであろう肉食動物や巨大動物にも、
恐怖や気迫を感じることはあまりなかった。
旭山動物園では頭上にある檻からヒョウに見下ろされたり、
シロクマの目線で見つめ合ったり、
ただでさえ背の高いキリンが自分たちより高い地面で闊歩していたり。
なんだか補食される側になったみたいで、
「かわいい」だけじゃない動物たちの迫力を感じることが出来たかも。




以上になります。
いかがでしたでしょうか。


旭山動物園だからこそできた体験というものがたくさんありました。
それをこうして見てみると、ただ単に動物園を回るのとは違った楽しみ方ができていたと思います。


今回はここまでになります。
また次回!