2014年10月28日火曜日

「伝統工芸職人とユーザの共創」 - 新しいものづくりのかたちを探る:湯山 諭

こんにちは、こんばんは。
上平研究室 湯山諭です。

10月がもう終わってしまいます。寒いですね。
ブログはまともに書いたことが無いので、違和感のある文章になってしまうかもしれませんが、最後まで目を通していただければ幸いです。

内容は大まかに私の住む地域の伝統工芸のことと研究内容についてです。


- 箱根寄木細工を知っていますか


 名前くらいなら通っているかな?とか勝手に思い込んでいたのですが、知らない人がほとんどだそうです。関西の方にはそんなもの知らんと言われました。

神奈川県、箱根・小田原の伝統工芸で地域や業界ではそれなりに有名なものだと思います。北海道とはなんらかの繋がりがあるらしく名前は広まっているようです。

そんなことはどうでもよくて、実物画像です。

寄木細工
寄木細工の鉛筆立てと栞

これが箱根・小田原の伝統工芸品、寄木細工。
オシャレにフィルターかかってますが気にしないでください。

そのまんま名前の通りで木を寄せて作った工芸品です。とても綺麗ですね。 木それぞれが持つ色をうまく使い分けて美しい幾何学模様を実現しています。詳しい製法やらなんやらをもっと知りたいという方はぜひ調べてみてください。製法とそれによって出来上がる作品にも種類がいくつか存在しているので。

色の違う木材を組むことで独特な模様ができる


- 箱根・小田原の伝統工芸職人の現状


 この箱根寄木細工、伝統工芸品としてはおそらくメジャーな方なのですが、他の多くの工芸品と同じく、需要低迷の影響はモロに喰らっているようです。

箱根小田原に限った話ではなく、伝統工芸品産業全体に言えることですが以下が主な理由です。

  1. 少子高齢化及び人口減少
  2. 生活様式・空間の変化
  3. 安価な生活用品の普及
  4. 量産化が非常に難しい

他にも知名度やら後継者不足やら色々とあるのですが挙げるとキリがありません。
生き残るためには現代の生活様式にうまいことマッチする新商品開発やそのブランド化、そして新しい販路の開拓が必要になってくることは間違いありません。


もちろん、職人たちもその危機を感じ取って行動をはじめています。

寄木クラッチバッグ 

このクラッチバッグは地元の若職人とファッションデザイナーがコラボして作られたものです。あまり見慣れないタイプのバッグですね。よく悪い人が身につけているらしい。


なんだ、案外うまくやっているじゃないかと思うかもしれませんが、5名の職人へ長い聞き込みをしてやっと見つけた一例でした。
密売東京 | 小田原の入り口 MIYABI × OTA MOKKO WOODEN CLUTCH BAG


普通に考えて、一人で通常の業務をこなしながらも現代にマッチする魅力的な商品を日々考えると同時に、なんとか箱根小田原市外への積極的なアプローチを企てる...というのは従事者数が極端に少ない伝統工芸産業にとっては非常に厳しいものであると言えます。上記の例はたまたまデザイナーの方が小田原に住んでいて協力し、コラボレーションが実現したそう。


そもそも元になる木を加工してくれる人も減っているだとか

問題は山積みです。



以上、伝統工芸品(産業)、箱根寄木細工について少しばかり知ってもらった上で本題に入りたいと思います。長くなってしまいましたが、以下研究のお話です。


- 伝統工芸品職人とユーザが共創するものづくりウェブサービスの提案


◆ なにをするか
 伝統工芸職人とユーザ(一般人、企業、デザイナー) との関係を構築するウェブサービスの試作を行う。それにより、彼ら職人が自身のフィールド(小田原箱根付近)のみだけでなく、より広い範囲で活躍できる可能性を指摘する。

◆ 達成したいこと
 共創を目指す(職人 × 誰かのコラボレーション)

◆ 共創って?
 いろいろ細かい意味がありますが、この研究においては以下の通り
  • 職人とユーザが対面すること
  • 製作過程においてユーザが一部分以上に関与すること(アイデア含む)

◆ 達成するとどうなる?
  • 新商品開発の実現
  • 地域に縛られない活動が可能に
  • 新しい顧客の獲得
  • モノが売れる

◆ やりかたについて
 ウェブでつくる。

ステークホルダーマップ

 とりあえず、現在のあまりにも限定的すぎるフィールドからより広いフィールドで戦えるようにシフトすべきだと考えています。箱根小田原付近の全職人をターゲットとするとさすがに大変なので絞ります。今回の協力は若職人で結成されているグループ、雑木囃子のみなさまにお願いをしています。


長くなってきました。
具体的な成果物につきましては、また次回ご紹介したいと思います。ごめんなさい。


ここまでお読みいただきありがとうございました。


湯山 諭

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